独身駐在者の多くは、月に４回でほぼ４日間しか香港にいないのに、現地給与のほとんどを香港で使い果たしてしまう。

当時のレートで私のペイペイの給与は少し残業すると手取りで３０万位は貰っていたので、僕よりどう考えても貰っている某先輩のその使い方は凄まじい。

しらふだととても良い人であるその先輩に着いていくと、週末のコースはお約束の様に決まっている。

香港に着いてすぐ、高級ホテルの日本食屋に向かい、そこで寿司をカウンターでにぎってもらい１人２万円。その後カラオケに向かい（カラオケボックスではない）約１人２万強。

その後は僕は帰宅する事が多かったが、先輩の足取りは、Ｂ−ＢＯＳＳ等（女の子を連れ出せるクラブ）に向かい、そこから連れ出した子と闇夜に消えていく。

これを行うと間違いなく一晩で１０万円は越すパターンだ。

幾ら多く貰っていても僕の給与では赤字になってしまう（遊んでいても貯金できるように現地の給与内でやりくりするように全て現金で生活していた）し、また女の子を買うよりも、女の子を説得（口説くともいう）するという自分のポリシーに反していたので、最後のコースは避けていた。
（おいおい、こんな事公共の場で言っちまって良いのか？）

一度知人の付き合いで女の子を連れ出し、その場で何もせず帰って良いというと、悲しい目で『なぜだ？』を連発されてしまった。どうやらその子（鈴木その子ではない）のプライドを傷つけてしまったようだ。

それからというものそういった類の店に行くことはあっても連れ出す事さえ完全にしなくなった。僕の行動と言えば、給与を少しずつ貯めておき、香港のブランド物バーゲン時にまとめ買いをするパターンや、香港からまた海外にダイビングをしに行くパターンが多かった。

その後、その某先輩の驚異の週末パターンに付き合わなくて済むようになったのは、日本から新たに０先輩が駐在に来てからだ。

Ｏ先輩は常軌を逸した部分もあるが、Ｕ社の中ではかなり良識がある方である。