★中華料理は本当に美味いのか?



一般に中華料理を嫌いな人はまず嫌いな人は居ないと思う。しかし、僕は正直言うとあまり好きではない、ってゆーか、駐在して好きでなくなったと言う方が正しいかも知れない。

もちろん、全く中華料理を食べない訳ではない。基本的に好き嫌いは無いし、あちこちで腹を壊さない範囲でゲテモノ食いもする、要は自分から進んで食べようとは思わないのである。

特に中華料理が本格的になればなるほど食べるのを遠慮したい。

しかし、全く日本風にアレンジされた日本でごく普通に食べられるラーメンや、餃子には目がない。

U社の工場はシンセン市にあるとはいえ都会部にあるのではなく、非常に辺鄙な所にある。

工場ができる前は何もない只の荒れ地だったそうだ。それが工場ができ、人が集まるようになったので、その人達目当てに工場の周りに洋服屋や、雑貨屋や、レストランができ、後半にはホテルまでできていた。

日本に帰国する駐在者が居る時や新たに駐在者が来た時は、やはり飲み会を行う。そういった時は生産技術部のローカルスタッフも連れて工場近くの、レストラン(もちろん中華)に出かける。

そこで正に本格的な中華料理を食べる事になるのである。

そこで料理される料理の味は普通の中華だが、とても美味そうには思えない独特の香辛料の臭いがして大食漢でもある僕の食欲さえも減衰させる。

本格的中華や中華の食材を間近で見た事がある人なら分かると思うが、中華の食材も料理も基本的に日本人がいい匂いとは思わないはずである。

おまけにほとんど毎回出てくるアヒルの足の料理やハトの頭付きの肉は鶏肉好きの僕でさえ何度食べても美味いとは思えない。

たまに出てくる麻婆豆腐も何とも言えない。


まったりとしてそれでいて少しも旨味がないような味

これを一言で形容すると『まずい』という言葉になる。

これを化学的に説明すると日本人が好むダシ、つまり旨味成分であるグルタミン酸が全く無い状態といえばいいだろうか。しかも、味覚の半分以上を占めると言われている匂いも悪いので、これはまずいとしか形容のしようが無いのである。

密かに僕は、駐在者が香港に帰るとよく日本食に走るのはこのせいではないかと思っている。

ただ例外もあって、炒飯だけはどこの店で食べても美味い。これだけは日本の粘り気の強い米よりも、中国のパサついた米の方がマッチすると思える。

特に福建炒飯は好きで、工場の側のレストランでは食べなかったが、他の店ではよく注文していた。

他に中華料理ではずれの少ない料理は、ペキンダック、ホイコーロー、パッチョイハー(茹でエビ:日本では何という名前か知らない)などである。ただ、パッチョイハーだけは注文する時気を付けて欲しい。

そのまま、『パッチョイハー』と注文すると何度も聞き返された挙げ句に八宝菜の炒め物が出てくるパターンが多かったのだ。

とにかく、これらを覚えておけば、これを読む人達が中国で生きるための助けになるのではないだろうか。




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