中華人民共和国は御存知、社会主義国家だが国の一部を実験として、経済の自由を認めた地区が数カ所ある。いわゆる社会主義の中に、資本主義が入っているような物だ。 香港に近い中国広東省深セン市(シンセン市:英名だとShenzhen 、漢字が日本語変換で幾ら探しても出てこないのと、便宜上なんとなく発音が似ているのでこう呼ばせて貰う)の経済特区の街中は想像を絶する程人が多く、また社会主義だというのに浮浪者も多い。 中にはCDもあり、もちろんマイケルジャクソンやフィルコリンズ等もある。 ちなみにCDジャケットには、Michael Jackson とも書いてあるが・・・・。 シンセンは中国内でもかなり南にあり、香港から中国に入るとそのままシンセンの経済特区に入る事になる。シンセンの国境付近には、驚くような高級ホテルや高層ビルが立ち並んでいる。 しかし、そのビルの谷間にはゴミの散乱した道路があり、浮浪者が所々にいる。 僕達はそれを第2国境と呼んでいた。 僕が勤めていたUという会社の工場は、経済特別区の外にあり、香港の九龍駅から向かうと約40分程電車に乗って中国との国境に向かい、そこからあるいて国境を渡り、それから内地の方に車で40分程かけて第2国境に向かい、第2国境から更に中国の内地に車で50分程進んだ所にある。 月曜から土曜まで、中国の工場内の寮で仕事をして過ごして同じ工場内の寮に戻るのである。寮にはメイドやコックがいて、部屋の掃除、洗濯、食堂でビュッフェタイプの食事を採る事ができる。 土曜の夜になると、香港までの車が会社で用意され、それにほとんどの工場で働いている外国人が乗り込む。理由は、香港にあるもう一つの寮に向かう為である。 工場内の寮の食事は、現地の食材が使われた日本食に似た怪しい無国籍料理である。この食事で我慢できなくなると香港で高い日本食を買い込み、それを食べるのである。 香港では、値段が1.5倍ほどするが日本にあるほとんどの物が入手できる。 |
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