★中国経済特別解放区
・・・まずはお勉強から・・・



中華人民共和国は御存知、社会主義国家だが国の一部を実験として、経済の自由を認めた地区が数カ所ある。いわゆる社会主義の中に、資本主義が入っているような物だ。

名目上は『資本主義国家の実験』だが、実際は先進国の技術導入とドル箱になっていたりする。

その地区を経済特別解放区と言い、略して経済特区と呼ばれている。

経済特区は当時四つあり、深セン、珠海、汕頭、廈門となっている。現在は香港も経済特区の一つになっているらしい。

香港に近い中国広東省深セン市(シンセン市:英名だとShenzhen 、漢字が日本語変換で幾ら探しても出てこないのと、便宜上なんとなく発音が似ているのでこう呼ばせて貰う)の経済特区の街中は想像を絶する程人が多く、また社会主義だというのに浮浪者も多い。

ここに初めてここに訪れた時は強いカルチャーショックを受けた。言葉もろくろく話せない恐怖感と、イメージと違う高層ビル群と人の多さ、汚さ、危なさがその原因だ。

現在まで12カ国15島以上様々な国を訪れたが、後にも先にもこれ程カルチャーショックを受けた場所は他にはない。シンセンの国境付近にはテントで怪しい屋台で色々な物が販売されている。

中にはCDもあり、もちろんマイケルジャクソンやフィルコリンズ等もある。
値段は当時日本円で¥100位である。どう考えても違法コピーで アメリカと揉めている原因の一つである。

ちなみにCDジャケットには、Michael Jackson とも書いてあるが・・・・。

『変克傑克遜』

と大きく書いてある。よくわからんが、なんとなく、まいける・じゃくそんと読めないでもない。

シンセンは中国内でもかなり南にあり、香港から中国に入るとそのままシンセンの経済特区に入る事になる。シンセンの国境付近には、驚くような高級ホテルや高層ビルが立ち並んでいる。

しかし、そのビルの谷間にはゴミの散乱した道路があり、浮浪者が所々にいる。
道路は発展途上国特有のルール無用の車の走りで大変混雑していて、その間を人々がちゃりんこで走り抜けていく。中国から経済特区に入るには普通の中国人が入れないようにエリアが区切られていて、丁度国境の様に役人がそこを通行する人の許可証(外国人はパスポート)をチェックする仕組みになっている。

僕達はそれを第2国境と呼んでいた。

僕が勤めていたUという会社の工場は、経済特別区の外にあり、香港の九龍駅から向かうと約40分程電車に乗って中国との国境に向かい、そこからあるいて国境を渡り、それから内地の方に車で40分程かけて第2国境に向かい、第2国境から更に中国の内地に車で50分程進んだ所にある。

月曜から土曜まで、中国の工場内の寮で仕事をして過ごして同じ工場内の寮に戻るのである。寮にはメイドやコックがいて、部屋の掃除、洗濯、食堂でビュッフェタイプの食事を採る事ができる。

土曜の夜になると、香港までの車が会社で用意され、それにほとんどの工場で働いている外国人が乗り込む。理由は、香港にあるもう一つの寮に向かう為である。

工場内の寮の食事は、現地の食材が使われた日本食に似た怪しい無国籍料理である。この食事で我慢できなくなると香港で高い日本食を買い込み、それを食べるのである。

香港では、値段が1.5倍ほどするが日本にあるほとんどの物が入手できる。
それはカップラーメンから、日本酒、梅干し、雑誌、週刊ジャンプまで及ぶ。




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