ラジオな人々!



今はどうかわからんけど、昔は学校の授業でラジオを作ったりしましたよね?
あ、もちろん男子だけだったと思うけどさ。

技術の時間に、いつもだったら木を切ったり磨いたりして椅子なんかを作っていたのだけれど、一度だけラジオを作った事があったんよ。

大体の部分は出来上がっていて、ちょっとだけハンダ付けをしたりプラモデルの様にパーツを組んでいくだけといったエラく簡単な代物だったけど。

でもね、ちゃんと放送をキャッチ出来た時は嬉しかったよね。電源を入れると赤い発光ダイオードが点灯したりして多少は凝ってたしな・・・・・。

中には不器用な奴もいるもんで、音が鳴らないって騒ぐんだよね。そうすっとさ先生の出番になって、おかしな部分を直してあげて解決になるんだけど、最後まで鳴らない奴もいた気がするなぁ。(笑)

そんでね、私の友人にその方面にハマっちゃったのがいたわけよ。チャイル、君だよ!! ま、あだ名なら問題ないでしょう?(笑)

『月刊ラジオ』とかいったかど〜か、自信は無いけどそんな雑誌があって、そこに色々な電子工作の紹介コーナーがあったんだよね。

チャイルが目をつけたのは『ルパン3世ゲーム』(爆笑)というものだった。

それは、プラモデル感覚で組み立てるキットなんかじゃぁないよ! パーツというパーツ・・・コンデンサーとか発光ダイオード、LSIとかいった物を買い集めて一から作るという代物だったのだ。それに、私もつきあわされたんよ。

恐ろしい事に、基板もオリジナルで作るのだ。パソコンなどのロジックボードを見てみると複雑な幾何学模様の回路図が書いてあるじゃない?

まず、そこから作らなきゃならんかったんよ・・・・。いや〜、今考えてみても中学生だった当時の技術力でよくやったと思いますよ。(笑)

もっとも、近所の無線パーツ屋さんで材料を調達したんだけど、大体のパーツは一個、数十円からで買えるリーズナブルな物でした。総額にしても2千円くらいだったかな。予算的には中学生の小遣いでも可能だったんすよ。

で、話は戻るけど基板作り! これは、あらかじめ全面に銅箔が塗られている板を購入しまして、銅を保護する薬剤をペン・タイプのもので書いていくんです。

雑誌に書かれている通りに、回路図を書くわけだ。そんで、次に銅を溶かす薬品をかける事によって回路図以外の銅が無くなり、ロジックボードの出来上がり!

苦労したのは、溶けてもらっちゃ困る所も溶けちゃったりしてね、後からハンダで回路を継ぎ足したりする羽目になった事かな。(笑)

苦労した割には、すんげぇシンプルな回路だったな・・・・・。(苦笑)
そこにコンデンサーやら何やらハンダで付けていってね、最後にアルマイト製の弁当箱(ドカベン)みたいなケースに納めるの。ゲーム画面になる部分にはアクリルの透明な板をかぶせて出来上がり!!

スイッチを押すと発光ダイオードが順番に点灯していって、まるで光が動いているように見えるんですよ。

で、その光がルパン3世!(爆笑)

最後まで行っちゃうと逃げた事になる。途中で他より大き目に光る所があって、タイミングよくそこでボタンを押して光が止まる様に出来たらルパン3世を逮捕した事になるらしい・・・って、「なめてんのかい!」っていう程、単純なゲームだったなぁ。

それでも、予定通りに動作してくれた時は嬉しかったもんですよ。うまく動作しない時には、無線パーツ屋さんのオヤジにサポートもしてもらったけど。(笑)

その後、調子にのったチャイルと私は2つほど訳のわからないゲームを作りましたが、あんまり面白くなかったのでやめました・・・・。

ただ、ひどいのは最初の基板作りの時に出来る廃液が劇薬だったんだよね。つまりは、捨てちゃイケナイ代物なんすよ。説明にはコンクリートで固めて市役所に処理を頼みなさいって書いてあった気がする。
でも、チャイルは空き地に埋めてたなぁ〜! え、私?
そんな事、しませんよ。(笑)



私に売られた友人たち!
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