寒天ゼリーで売られた男



小学校6年生の頃だったかな、私は随分とひどい事をしたんよ。ここで懺悔しようと思います。

当時の小学生といえど、高学年にもなれば色気だってつきます。(笑)
誰が誰の事を好きだとかいった話題は、一番の関心事だったね。

色気がついたとはいえ、それほど男女を意識しないで済んだ当時は男女みんな仲良く遊んでいたねぇ。好きな人の名前を知るのに、目の前に当人がいるというのにコックリさんやらキューピットさんといった黒魔術を使ったり(爆笑)して。

自分の好きな女の子が一緒にコックリさんなんかやってると、本当はわかって欲しいからコックリさんの力にかこつけて、その子の名前が出る様に10円玉を動かしたいけど、照れくさくて出来ないなんて〜のもあったね!(大爆笑)

いや、マジで本当っぽく動かそうとした事もあったな。でも動かなかったんだ。

あれって力一杯、拒否されてたんだよな。きっと・・・・。(涙)

そんでね、今回の懺悔ってのは今もつきあいがある友人のキムゴンの事なんだ。

スマン!!

実のところをいえば、もう友人を売るしかネタが無くなったのだよ。(笑)
それからアダ名なら、わかる人にしかわからないからいいよね?

そう、大抵の奴は自分の好きな女の子の名前を友人に告白しあったりしてた。
でもさ〜、どこにでも絶対に言わない奴っているじゃん。(笑)

それがキムゴンだったんだよね。ズルイじゃん!こっちのはバレてるのにさ!!
・・・って、自分の方のは聞かれもしなくても勝手に言ってた気がするけどね。

ま、そういう絶対に教えてくれないタイプって他にもいたんだけど、キムゴンの好きな女の子の名前がどうしても知りたくなっちゃったわけよ。

私は今もそうだが、昔から口のカルイ男だったからキムゴンとしちゃぁ、私だけには死んでも教えたくなかったのだろう。

だが、そっちがその気なら私にも考えがあったんだな、あの頃!(激笑)
情報は足を使って・・・・まさに刑事のノリで調べだした私は、まもなく例の事をキクベンが知ってるという事までつきとめたのだ。

    「キクベン、キムゴンの好きなコの名前を知ってるって本当か?」

キクベン 「・・・え、あぁ、知っとるけど」

    「教えてくれ!!」(単刀直入)

キクベン 「え〜っ、マズイわ。オレからは教えられんよぉ」

キクベンの名誉の為にも書いておくが、彼はなかなか口をわらなかった。だからといって、ハイそうですかと引き下がる私ではない。結構しつこいのだ。(笑)

そんな押し問答をしながら歩いていくうちに、私達は近所の駄菓子屋に着いた。当然、買って食べだす私。その時、キクベンは小遣いを持ってきていなかった。

私の頭の中のCPUがG3、もしくはペンティアム並の処理速度で働いた。

    「キクベンさぁ、好きなお菓子ってナニ?」

キクベン 「・・・・・・寒天ゼリーかなぁ」

    「キムゴンの好きなコ教えてくれたら、オゴってもいいぜ!!」

キクベン 「・・・・・・・・・」

イチゴ味やらメロン味のする寒天ゼリー、1つだけではオチなかったキクベンも数本オゴッてあげたら白状したのであった。勝利である。(笑)

そうして知った情報で、キムゴンをひやかしたのは言うまでもない。後日、この件が原因で人間不信になったと責められたのも仕方ない事っすね。

しかし、それにしても子供ながらに私はなんと卑怯な男だったのだろう。今や思いやりの吉田、もしくは気づかいの吉田と言われる(?)私からはとても信じられない。キムゴン、あの時は悪かったね。

でも、もう時効だよな?



私に売られた友人たち!
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